本・書籍

日本破綻 / 藤巻 健史

「経営者でしたら、こういった本も読んで勉強せんとなりませんよ。」
とおっしゃりながら、この本を頂きました。

金融界の方が書いた本は、普段であれば絶対に自ら買おうと思わない分野です。

別に政界に打って出ようなんて気もありませんし・・・という感じですが、読んでみてなかなかに興味深い本でした。
金融テクニックの詳細論はなく、大雑把に藤巻さんが現在の累積財政赤字が引き金となる「日本」株の下落止めとして、「先ずは実態経済にあった円の価格に下げなさい」という主張を、それをすることによって達成できるであろう事例をあげながら説明しています。

なるほど。
昨日の9党首討論でも出てきていました、「所得格差是正」といった‘平等主義’のために、国債という将来のお金の前借がどんどんつぎ込まれていくことになるという事実を知っておくには役立つ本でした。

これからの参院選で支持政党を選ぶに、ひとつのいいヒントをもらえた本でした。

自分の枠を超えるハナシは本当にありがたいものです。


からくりからくさ / 梨木 香歩

この本は、先に読んだ「りかさん」の続編にあたり、りかさんの文庫本に収録されている書き下ろし「ミケルの庭」はこの「からくりからくさ」の後の物語になります。

この「からくりからくさ」は実に深い。
この物語のモチーフになぞらえて表現するならば、草木染で出した黒色のように、単純ではなくどこまでも深い。

蓉子、与木子、紀久、そしてマーガレット。
かつて蓉子のおばあちゃんが暮らした家で同居する4人。
この4人、そしてその4人それぞれに至るまでの祖先を縦糸に、市松人形や能面などいろんな緯糸で縦糸はひとつの布になる。
さらには様々な時代背景、文化背景が裏文様として、その布に深みを与える。

題にもある唐草文様。
遠くトルコを西の端として、シルクロードを伝わる中で、元々は蛇、それが蔦に変容したもの。
シルクロードの西の端のトルコ。そこはまた東と西の文化が衝突するところでもある。
そのトルコを含め、強制同化政策によって自分たちの国はおろか、その文化継承さえも抑圧されているクルド人。
片や、時代の流れで伝えることが途絶えつつある日本の伝統工芸、はたまた家制度。

蔦模様は連続を表す。
連続には2つ。守り続ける連続、そして変容していくための連続。
今まで続いてきたものを続けること、そして変容した後の連続、どちらも守って続けることは比較的たやすい。連続しながら変容する時がもっとも難しく、また人や国、世界の場合には多大な犠牲を強いられる時期になる。
ツタえること、ツタえ続けること。
守り続けながら、変容しながら。
そのツタえ続けるべきものは何なのか・・・?

これは梨木さんの世界観を、小説の形で表現した作品なのだと思います。
その世界観は、私もそう思う世界観であり、だからいろんな部分で共感できた作品なのだと、思います。

りかさん / 梨木 香歩

子供のようこがお雛様のプレゼントにおばあちゃんにせがんだのは「リカちゃん人形」。だけど贈られてきたのは順日本人形の「りかさん」。
でもその「りかさん」は・・・。

梨木さんは、いわゆる非科学的として無視されるようなコトガラをおどろおどろしさではなく、さもありなん然と表現するのが実にうまい作家だと思います。

非科学的として伝えることを止めてしまわれた大切なナニカ。
それを思い起こさせ、大切なものとして再び光を放たせるのがうまい人だと思います。

すっと読めてしまうけど、ちゃんと心にナニカを残す。
このバランス。
題材といい、その表現力といい、ほんと「うまいなぁ~」としか言えないのが残念なくらい。

好き好きが分かれる本だとは思いますが、良い本だと思います。

あなたは絶対!運がいい / 浅見 帆帆子

あなたは絶対!運がいい / 浅見 帆帆子

ふと気になって手に取った本。

この本にも書いてあるように、自分の理解レベルがきちんと合っていないと、たぶんこの本を正しく理解できなかっただろうし、恐らくは理解しようともしなかったかもしれません。

プラス思考’という言葉は、この本にもあるようにすっかりと市民権を得たようですが、ちょっと間違った使い方をされているように感じていました。
この本の著者が述べているように、‘プラス思考’というのは起きた自分にとって好ましくない事象を全て前向きに捉えるというのではなく、好ましくない事象とは関係なく、自分にとって心が好ましい状態になることを常に全力で行うことだと、私も思います。

‘精神レベル’、というとそういう精神世界に嫌悪を抱く方もいらっしゃるかもしれませんが、要は‘人間性’と読み替えればいいだけのことです。

どんなに人間性の高い人にでも、困った事態は訪れるもの。
ただ、その対処法が違う、ただそれだけのことです。
「できる限りのことをやったら結果はどうあれそれで終わりにする。
 その後は自分の心にプラスになることを専念して行う。」

私も会社勤めを辞めて、現在のお店を開き、そして3年以上お店を続けてきて感じていること、体験してきたことを通じて、この本のとおりだと共感します。

結局、他の人の幸せを妨げずにかつ自分が心から楽しめる人生を歩む術は実にシンプルなのです。
ただ、それを実践しているかどうか。
このわずかな違いがものすごい違いになって現れます。

私などはスタートが随分と低いレベルからですから、まだまだ全然、ですが、それでも随分と日々の環境は変化したと実感しています。
そういう意味では、自分も少しは人間性が向上したのかもしれませんね。
そして今後も努めていくに価することだと確信しています。

中国古典の人生学 / 守屋 洋

「中国古典の人生学 / 守屋 洋」

この本は1987年に週刊読売に連載されていた守屋さんの中国の四字成句のひとつを題材にしたエッセイをまとめた本の文庫本。

中国の古典は個人的に大好きなので好んで読むのですが、今Amazonで検索してみたら扱っていなそう。こういうものまで流行り廃りが及ぶとはなんとも寂しい。

本の中でも度々書かれていますが、儒教など‘教’とついてはいるもののそれは宗教のそれとは違い、どちらかというと人間行動の原理原則、もっと極端に言えば「我欲に突き動かされて取る人間の原理原則」を鋭く喝破したものだといえます。

よく「経営の指南書」とか「政治の原理原則」、「外交のお手本」などとして読むことを推奨されますが、いずれも人間が行う行動であることに変わりはなし。

わたしは時々お店に来られる‘社長経験者’の方とお話を通じて、それこそ様々な経営指南のお話を聴く機会がいただけます。
その中で、ある業界に精通されている方とお話をしていて、その業界の栄枯盛衰の理由を聴いていたのですが、まさに中国の歴史の勃興と変わりがないと感じました。

その方がおっしゃったのが、
「大企業も角のおばあちゃんがやってるようなたばこ屋もやってることはなんら変わらんのですよ。モノを仕入れて並べて売る。
規模が違うだけで基礎は同じなんですわ。」

そのとおりだと思います。
会社、国内、対外国と、規模が大きくなれば、経営、内政、外交となるだけで、基礎は変わらない。

さらには、「我欲で突き動く小人の欲望」と、「できるだけ多くの人の為にと動く君子然たる行動」とには歴然たる違いがある。
自分の行動も含め、自他の行動において、欲による行為は間引かねばならない。
それはひとつのゴミが放置されていることで、
「ここは汚していいんだ」
という集団意識によってその場所が汚くなっていくようなもの。

幸いにしてお店は二人でやっているので、自分の行為が我欲によるものかを確認する鑑があるのは助かります。

それにしても。
2000年の時を経ても、行動の原理原則に多くの共通点があるとは、人間は精神的には全体として進化していないものなのですね。

と痛感する1冊です。
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